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大友道明弁護士懲戒手続きへ ロマンス詐欺の被害回復で誇大広告 二次被害防止が課題か

2023年9月6日

記者会見する千葉県弁護士会の菊地秀樹会長=千葉市中央区で2023年8月30日午前11時45分ごろ、林田奈々撮影

国際ロマンス詐欺の被害回復に関するネット広告の内容に問題があったとして、千葉県弁護士会は8月30日「弁護士会に所属する大友道明(おおとも みちあき)弁護士(75)について懲戒処分に向けた手続きを始めた」と発表した。
情報元:毎日新聞社

国際ロマンス詐欺とは何なのか?

コロナ禍で急増したと言われている国際ロマンス詐欺。一体どういった詐欺なのだろうか。簡単に説明します。

“海外に住んでいる”という相手とSNSで知り合いになり、やり取りをしている内に好意や恋愛感情を抱いたりして相手を信用した結果、現金を騙し取られる被害のこと。

被害例を一つ紹介します。

SNSで知り合った海外在住の女性。その女性から「亡くなった旦那の遺産が多すぎて困っている。この遺産の中から数億円をあなたに寄付をしたい。」と美味しい話が流れ込んでくる。
その話を信じ、遺産を受け取る意思を伝えると、相手から「送金の手続きに費用が掛かるため、先に100万円を振り込んで欲しい。」と言われる。
相手が海外在住であることから「海外FXで送金して欲しい」「暗号資産(仮想通貨)のビットコインで送金して欲しい」などの指示をされる流れに。
そして指示通りお金を払うと、「手数料が高くなった」などの理由を付けて更に要求してきたり、連絡が取れなくなってそのまま音信不通になるという。もちろん一度も会えずじまい。

被害に遭ったことに気づき指定された海外FX口座を調べてみると架空の取引所であることも珍しくない。架空の取引口座の場合、当然出金も送金も出来ないという仕組み。

実に恐ろしい手口である。

出会い系サイトやマッチングアプリで出会った相手とのトラブルに関しては、サイトやアプリが用意したサクラによる被害である可能性があるため、上記のようなやり取りでもお金を取り戻せる可能性がある。

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大友道明弁護士の何がいけなかったのか

海外ロマンス詐欺の場合、被害金を回収することが非常に難しい。やりとり相手が個人であることが多く、弁護士事務所から相手に連絡をしようとしても連絡が取れないことが殆どだからだ。
連絡が取れなければ、相手に「返金してください」と伝えることも交渉をすることも出来ない。

そんな中、ネット広告の中で「すべてお任せ頂ければ丸っと解決いたします」などと表示していた事が今回問題となっている。
そのネット広告を見て大友道明弁護士に依頼した場合、着手金を支払い、委任契約を結ぶことになる。その後、大友弁護士は相手と返金交渉をする流れになるはずだが、前述の通りそれが困難だからだ。
依頼者は、詐欺被害に遭った上に大友弁護士に着手金だけ取られるという二次被害を受けて泣き寝入りすることになる可能性が高い。実際にそういった相談が県弁護士会に多数寄せられていたという。

今回、県弁護士会の綱紀委員会は日本弁護士連合会が禁止する「誇大または過度な期待を抱かせる広告」や「虚偽または誘導にわたる情報の提供」などに該当すると判断。
今後、県弁護士会の懲戒委員会が審査し、処分を決める事になっているそうだ。

コロナ禍で急増したと言われている国際ロマンス詐欺。その被害はコロナが5類感染症に分類された今も拡大の一途を辿っている中、今後は二次被害対策が注目される。

■大友弁護士プロフィール
事務所:大友法律事務所
代表:大友道明弁護士
住所:〒260-0014 千葉県中央区千葉町4-14内海ビル2階
電話:043-221-4060
HP:http://g-assistant.com/

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